【WAIS-IV検査について】
WAIS-IV検査とは，全体的な能力（全検査IQ）に加え，個人の特性（得意なことや苦手なこと）がどのような点に現れるか，群指数と呼ばれる4つの能力やそのバランスを測定する検査です。群指数には「言語理解」，「知覚推理」，「ワーキングメモリ」，「処理速度」の4つがあります。
「言語理解」とは，言語的な情報や自分自身がもつ言語的な知識を状況に合わせて応用できる能力を指します。
「知覚推理」とは，視覚的な情報を取り込み，それを相互に関連付け，全体として意味あるものへとまとめる能力を指します。
「ワーキングメモリ」とは，注意を集中させ，情報を正確に取り込む能力を指します。
「処理速度」とは，視覚的な情報を，制限時間内に指定された形でより多く正確に処理する能力を指します。
上記の4つの能力は個人によってバランスが異なります。例えば，「言語理解」よりも「知覚推理」が得意で，聴いて理解するよりも絵や図を見て理解することが得意な方もいれば，逆に「知覚推理」が得意であり，誰かに説明されるよりも，図や絵などを見て理解した方が分かりやすい方もいるでしょう。WAIS-IVでは，情報処理に関しての個人の特徴を知ることができます。
WAIS-IV検査の所要時間は一般的に2時間から3時間程度かかりますが，個人によって差があります。また，検査の当日にお持ちいただくものは特にありません。結果に影響が出ないように体調をできる限り整え，前日は安静にお過ごしください。
【WAIS-IV検査でわかること】
WAIS-V検査はしばしば発達障害の診断の手がかりになることがありますが，WAIS-IV検査結果のみで何かの診断が得られることはありません。また，発達障害を疑われた方だけでなく，今後の就職活動などで自分の得意なことや苦手なことを知っておきたい方や，ご自身の今の認知機能について関心がある方も検査される場合があります。片づけが苦手であったり，作業にどうしても集中ができなかったり，会話で内容が分からないことがあったり，生活で気になることがある時，今後に向けてどんな工夫をしていけばいいのか悩まれている方にとって，ヒントが見つかるかもしれません。(和田)